東京家庭裁判所 昭和39年(少)4755号
主文
少年を医療少年院に送致する。
理由
(非行事実)
少年は栃木県宇都宮市で生れ十年程前より現住居に住み両親のもとから土地の小学校を卒業し、昨年四月より○○○学園女子高校に進学したが、素行不良の友人と交際したり、両親に無断で外泊をしばしば重ねるため、両親がそれを矯正すべく昨年九月頃横浜市の横浜学園に転校させ、横浜の姉T江のもとから通学していたが、その後も素行が改まらず、犯罪性のある友達と交際し、本年二月○○日に窃盗の容疑で築地署に補導されるにいたつたものである。その後少年は両親のもとに引き取られたが、本年三月○日家出し同年三月△日横浜の姉のところに洋服着替えのため戻つたところを姉T江に発見され両親のもとに連れ戻されるまで、深夜喫茶等を泊り歩いていたもので、両親の監督に服さず「また家出する」などの暴言をはいており、その性格環境に照らして将来犯罪を犯す虞れのあるものである。
(適条)
少年法第三条第一項第三号イロハニ
(保護処分に付する理由)
少年は、昭和三八年四月○○○学園女子高校に入学したが、スケート場等に出入するようになり、その夏保護者に無断で学友六人と男友達四人で神奈川県葉山海岸に外泊した。そのため環境を調整する必要から横浜在住の姉方に預けられ、△△学園に転校したが、昼間は通学するものの夜間と土曜、日曜は保護者の眼を盗んで銀座で遊び、喫茶店を溜り場として銀座の不良学生グループと交際し、ボーリング場等に出入しているうち、ついに異性と肉体関係を生じて妊娠したが、昭和三九年一月になつてから保護者に無断で度々外泊し、同月末には妊娠中絶の手術を施すの事態になつた。しかし依然として反省の色なく保護者の指示に従うことなく、不良交友を絶たず、その間店頭で万引を行い、警察から父母の許に引渡されたものの安定せず、その二日後には父母の許を無断家出しその後は保護者に居所を知らせず深夜喫茶店等を泊り歩いていたものである。少年の性格は快楽追求的で衝動を抑制する力乏しく、自己中心的である。社会的躾が不十分で保護者の指導の限界に来たと思われ、その矯正には収容保護が必要と考える。
よつて、少年法第二四条第一項第三号、少年審判規則第三七条、少年院法第二条により少年を医療少年院に送致することとする。